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病院送りの男。

やってしまいました。自分はこれで二人目です。(一人目のときには自分も病院一歩手前状態だったので触れません。というか、未だに触れられないトラウマになっています…)で、何をやらかしたのかといえば、

部下を病院送りにしてしまいました・・・

これだけ書くと、リングの上で物凄い格闘の末、傷だらけになりながら勝利の雄たけびでも挙げていそうな雰囲気ですが(え?そんなことないっすか(^^;)?)外科でもなく、内科でもなく。精神科に送っちゃったんです。

確かに自分のところに仮配属された彼は、長期休暇からやっと復帰したばかりの所謂『病み上がり』でした。彼の病んでいた箇所は心で、病名を『鬱病』といいました。正式に病院から診断書も発行された所謂本場モノです。

わかってました。彼が仕事に復帰するためのリハビリでウチの部署に仮配属されていたことなんか、はじめから話があったんで知らないだなんて嘘は言いません。でも、だからといって他の子たちと違って腫れ物にでも触れるようにやさしくやさしく扱えとでも言うんでしょうか?そんなことしてたら仕事になんかなりゃしません。正直なところ、仕事が出来ないような(というかやる気のないような)人間はいてもらっても意味がないし、かえって足をひっぱる存在でしかない。冷酷非道で残忍なことを言っているということはよくわかっています。でもね…

こっちも生活かかっていて、病気の母親の面倒をみていくためには確実に仕事を遂行して少ない金でも確実に取っていかにゃならんのです。

たとえ自分が精神的に鬱々とした状態になっていようとも、動く箇所をフルに活用して働かなきゃならない。働けなくなったらウチは終わりなんですよ。それを考えたら、彼を哀れむ余裕がない。彼にはホント気の毒なことを強いたとは思います。納期だの修正だの、残業しろだの、長期有給消化を却下したりだの。

そして何より、彼の勤続年数から『このレベルのことは出来るだろう』と過剰に期待しすぎて、彼がしょっちゅう聞きに来るという行為自体を拒絶するような素振りをみせたこと。

彼はひどい疎外感を感じたと話していたそうです。

仕事の出来には個人差がある。それを承知していながら、彼ぐらいであればこれぐらいはできて当然!という見方を最後まで変えることが出来なかったんですね、自分は。だから、『わからない、わからない』を連発して10分おきぐらいに聞きにきては、唸るようにして悩む彼に対して『聞きに来る前にまず自分でしらべてみなさい』という拒絶の言葉を連呼しまくったんですよ。挙句の果てに、睡眠不足と元来の貧血で限界に来ていた自分は彼そのものを嫌悪して生理的に拒絶するようになる。彼の疎外感は更に加速していたようです。

今日の彼はほや~っとした顔でいつものように聞きにきました。自分はいつものように『調べなさい。ネットを活用しなさい。人を頼りすぎるのはやめなさい。一度聞いたことは何度も聞かないですむようにメモをとりなさい。』を連発しました。いつもの光景でした。周囲の人も最近では見慣れてきたようで振り向きもしません。

彼の元上司(彼を放り出して自分は出向していった人物)が、久々に彼の様子を伺いに来ました。自分は相変わらずの調子で彼に作業を依頼しました。

『少し、話してきてもいいかな?』

そういって、彼の元上司は彼を応接セットの方へと連れて行きました。詳しいことはわかりませんが、営業の子たちが聞き耳をたてて収集した情報によると『仕事を続けていく自信がないなら辞めてもらうしかない』とか『やる気がない人間は必要ない』といった内容のことを話していたそうです。

会社なんてそんなもんです。会社の利益にならなくなればいらないんですよ。病を気遣う場所ではないんです。

そして、うちのリーダーがその後の彼から相談を受けたそうです。

『しばらくお休み戴いてもいいでしょうか?』

それは彼のSOSでした。もう限界だったんでしょうね。手振り身振りでどう表現したらいいのかわからない自分の状態を必死に説明しようとしていたそうです。しかし、それは自分たちのような鬱病をわずらっていない人間からみたら、奇怪な行動にしか映らなかった。リーダーは

『やる気ないなら、ウチでは使えないから他の部署のリーダーにかけあってみるんで、そっちで仕事しなさい。疎外感感じるだのって言っても現に仮配属なわけだし、それほど詳しい話をする必要はないと考えたことに関しては、他の人にも話していない。知りたいのなら、自分から聞きに来なさい。君が知りたがっていることなんて、何もいわなければこっちにはちっとも伝わってはこないんだから』

至極もっともな意見ではあるんですが、鬱病患者にとってはどのように受け止められるのでしょうか?自分にはわかりません。彼はこの後、『大丈夫。このまま続けていけます』と、コメントしたそうです。支離滅裂になりはじめました。そして…

『すみません。今日こう、なんというか具合悪いので早く帰ります。あの…みていて何か気付きませんでしたか?ホントに何か気付きませんか?』

どこかうきうきしたような様子でした。目にみえる彼と彼の感情が乖離していくようでした。

『具合悪いなら、早く帰って病院に行ったほうがいいね。お大事に』

自分が発した言葉はこれだけ。感情なんてちっともこもってません。文書を作成しながら、メールを打ちながら。スケジュールを確認しながら彼をたまにちらりと見上げるだけで、言葉を発していました。彼はふらりと帰って行きました。

『そうですね。病院いかなきゃ』
そして、彼が行く先にあるのは…

どっぺん。。。

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参加中デス。睡眠不足がたたって、本日3回も鉄に額を強打し、気がつけば青あざになっていてあわててコンシラーを塗りたくりまくって隠蔽していたまんたろうに、お恵みの一票を~(/_;)って段々情けなくなっていくなぁ…(苦笑)
by r_elemental | 2004-08-06 23:36 | 折り詰め作成中(日常雑記)
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