それでも夜は明ける

目の前の座席にいた、タメ歳の先輩が入院しました。
数ヶ月前から持病の腰痛が悪化したと言っていましたが、入院直前は明らかにただの腰痛ではなかったようでした。
痩せ細り、腹と足は無残に腫れていたといいます。

『もう歳ですねぇ~腰痛の治りも悪くなってるし!』
『また1つ歳くっちゃいましたねぇ~!オジサン街道まっしぐらですねぇ!』

そんな声をかけられるような雰囲気ではなかったことも気付いていました。

悪性リンパ腫ってご存知ですか…?

これから抗がん剤の投与が始まるそうです。弟さんが会社に来て、長期休暇の申請をしたようでした。
『とりあえず3ヶ月、その後は様子見なんですが…すぐに席撤去したりしないでもらえますか?』それが弟さんの言葉だったそうです。

総務のジジィがいそいそと『荷物まとめた方がいいかな?』なんて話しながら自分の前をうろついてました。どんな顔しているのか、ちっとも表情がみえませんでした。
上司から残業時間帯に話がありました。そんな時間帯に残っている人間は限られているし、むやみに病名を広げる必要もないからだと思います。

『これからは近くにいる人間が気をつけて声かけてあげないと。近くでみてるのに放置じゃねぇ?』
毎日一番近くの席にいて、毎日バカな話してました。
気付かなかったわけじゃない。でもいえないことってある。
…そんなことありえないよ…と思っていることを口に出していいたくないことだってある。

でもそれが病気を悪化させた一因であることには変わりないし、ことなかれ主義で逃げの口実だといわれても仕方の無いことだとも思います。

座席は弟さんの望みどおり、まだ残っています。まだ誰も見舞いに行っていないそうです。そして、自分は行きません。もし自分だったら、会社の人間にそんな弱った姿をみられたくないから。恐らくそういう感覚は近い人だと予想出来るので、行きません。

今日は部署の親睦会で皆飲み屋に出かけていきました。
自分は仕事で会社に一人残っています。

ぼんやりと今、『がんって何だろう?』って思いました。

ただひとつわかるのは、誰かがどこかでそれをわずらったとしても仕事は発生するし、飲み会だってあるし、雨は降るし、風だって吹く。月は満ち欠けを繰り返すだろうし、潮だって満ちて干いていく。人は喜怒哀楽を捨てることはないだろうし、時間は過ぎていく。
そして、どんなときでも夜は明ける。

今までと何も変わらないんだと思います。
少しのインターバル…残業を続けます。

夜明け特有の青の時間帯、あの透空をぼんやりみるのは嫌いじゃないです。
眠らずにその時間を待つのは嫌いじゃないです。
暗い空に浮かぶ雲の流れがわかるぐらいに、闇空を見据えながらその時間を待つのは嫌いじゃないです。

どっぺん。。。
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by r_elemental | 2006-10-06 22:09 | 折り詰め作成中(日常雑記)
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